ウディ・アレンと正木春蔵と二日目の新関 男の夢 | 還暦過ぎて料理生活家<旧:口中の幸い>

ウディ・アレンと正木春蔵と二日目の新関 男の夢

今日はウディ・アレンの新作、『メリンダとメリンダ』の試写に行ってきた。六本木のFOX試写室。帰りがけにAXISの中にあるサボア・ヴィーブル に寄ってしまって、杯を買ってしまいました。正木春蔵さんのシンプルな杯、2980円。


さて、『メリンダとメリンダ』は、離婚した一人の女性の行く末をシリアスドラマ(悲劇)とラブコメディー(喜劇)で同時並行的に描き分け、ウディ・アレンのまじめ路線(たとえば『インテリア』とか『ギター弾きの恋』)と、喜劇路線(たとえば『アニーホール』とかって言うか彼のメインストリームですね)が一緒に味わえて、一粒で二度美味しいという作品です。(というかそういう宣伝路線)


実は初期作品からのウディ・アレンファンのわたくしですが、ウディ・アレン自身が出演していない作品の評価は、結構厳しくなっちゃいます。悲劇と喜劇を描き分けようとして、なんか凝縮感にイマイチの、底の浅い映画になってしまったかなあ、なんて辛口批評しながら、しかし「やっぱ巧いよなあ」なんてつぶやいてしまうような映画です。


と、まったく酒と一緒だなあ、などと昨日開けた新関 男の夢(宮城)を飲みながら書いている次第。悲劇と喜劇。言ってみればキレとコク(旨み)でしょうか? さらにちょっとした酸味が加わって、作品の輪郭が決定します。


昨日開けた新関 男の夢(宮城)は今日、昨日とはまったく異なるまとまりを見せてくれました。悲劇と喜劇がなんかバラバラな印象だったのだけれど、きょうはとてもウェル・バランス。日本酒もワイン同様、栓をあけて空気にふれさせ、なじませる必要があるのだなあ、と実感した次第。


『メリンダとメリンダ』ももう一度観ると、別な印象になるのかもしれません。

20050516  
九谷の伝統を踏まえながら、どことなくPOPな作風の正木春蔵の器は、家でゆるりと飲むのに最高です。


水鳥が、酒の中を泳いでおります。