援農初日の、「心地よい」筋肉の疲れ | 還暦過ぎて料理生活家<旧:口中の幸い>

援農初日の、「心地よい」筋肉の疲れ

苗床の倍土を持ち上げることによる、心地よい上腕二頭筋と三角筋の疲れ。


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今回の援農に賛同してくれて、一緒に手伝いをしてくれる友人の上野さん


石井さんは、翌日筋肉痛になるのでは?と言っていたけれど、幸い日ごろの筋トレが奏功して、「心地よい」疲れで済んでいる。

ただ鍛えることを目的にする筋トレとは異なり、何かを生産するための「筋トレ」は心地よい。

 
などと言うと、生業にしている方からすれば眉根に皺のひとつも寄せたくなるかもしれないけれど、日ごろ椅子に腰掛けて、バーチャルなディスプレー上に「0と1」の組み合わせで形を作っている身としては、それが偽らざる素直な感想だ。


初めての米つくり援農は、苗床つくりだった。

ベルトコンベアーの装置にパレットをセットしたり、倍土を投入するという単純作業を、納屋の土間で黙々と行う。

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ベルトコンベアーに苗床をセットする。

最初のうちはお互いの近況などで話も弾むが、そのうちに少しづつ自分の心の方にベクトルは向かっていく。

農家が哲学者たる所以を垣間見るひと時だ。


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瞑想のうちにも(笑)苗床はできていく。


この日の昼、石井さんは行きつけの寿司屋が新たにオープンした和食の店に連れて行ってくれた。

無性にご飯が美味しかった。
金目の兜の煮付けも、骨をしゃぶった。


このちょっと浮かれている感じに、生業としている農家の方は、本当に鼻で笑いたくなるかもしれないけれど、ご容赦ください。

でも、この「感じ」にあらためて光をあてて培養してみることなど、やってみる価値もあるのではないかと、そろりと思ってみたのである。