川口由一「自然農という生き方」に感動
「自然農という生き方」
感動してしまいました。
単純に、不耕起・無農薬・無肥料の自然農法に興味があって購入した、現在の第一人者、川口由一さんと辻真一さんの対談本(というか川口さんへのインタビュー本)。
たとえば「答えはここに」とおっしゃる。
自分に起こる現実(たとえば、どんな外的要因による被害も)は、自分自身を手当てする以外に解決はないというような意味のことで、逆の視点で見れば、最近流行りの「ザ・シークレット」系引き寄せの法則と同じことなのだけれど、雨後のたけのこのごとく出版される同系の凡百の自己啓発本とは比べ物にならない、圧倒的な真摯さで迫ってきます。
田畑に真剣に向かい合うという究極的に現実の実生活を通じて、人の生き方から社会、そして宇宙まで深い洞察で見通すその川口さんの思考は、部分と全体は相似であるとするフラクタルという概念が真実のものであると看破させてくれるとともに、頼りなくもこの世に生を受けてまっとうせざるを得ない我々への、ものすごく力強いメッセージとして受け取られ、ひとり酒場でページをめくりながら、思わず落涙してしまいました。
人それぞれに、今必要なものと、必要ないものがあるとは思いますが、たとえば、現在自分の立ち位置に少しばかり違和感を感じているような方など、ぜひご一読を強烈にお勧めします。
問いに生きるのではなく、答えに生きよう。
至言です。
大月書店 ゆっくりノートブックシリーズ 1200円(税別)