還暦過ぎて料理生活家<旧:口中の幸い> -8ページ目

純米原理主義者、本醸造をたしなむ。<其の三>

というわけで(のわけは「其の一 」「其の二 」)、このところ本醸造ばかり購入しているTOMであります。

ネット上の評判や店主のアドバイスを求めたりはせずに、勘だけで買ってきちゃうのですが、やっぱり当たり外れありますね(笑)

どうみてもやわな造りしかしてないと思われる、香りぷんぷんのやつなど、結構こだわり系の蔵と思っていたところの本醸造でもあったりして、やはり油断なりませんな。

一方で、気に入ったのが「新政 秋田流 本醸造」。かの6号酵母発祥の蔵の、その伝統の酵母で醸した本醸造ですね。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090315a

香りの穏やかな6号酵母の酒らしく、ほんのかすかな含み香で、食中酒としては最適。味わいに素朴で独特なくせがすこーしだけあって、それが個性を主張してる。

この手の伝統の蔵の酒ってあまり日常飲まないのだけれど、良い酒だと思いました。

もう一本は青森の「駒泉 辛口本醸造」。こちらは対照的に青森っぽい(?:笑)バナナ様の香りが特徴。でもとても控えめでこちらも好ましい。味わいはバランス重視の優等生。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090315b

どちらも冷や(常温のこと)でも燗で楽しめる。「新政」の方は熱燗でもダレず、寒い夜の良いお供となってくれました。

しかし、こうして本醸造ばかり4、5本も飲むと、純米酒のあの舌の両脇に絡みつくような酸味がどうにも恋しくなってくる。

これから「新政」をかった江東区砂町の「リカーショップすぎうら 」で、純米酒を仕入れてきます!

手づくり醤油日記(9)【目標は見えるところに】

成功を目指して目標を立てたら、それを目につくところに貼るなりしていつも眺めて、潜在意識にその目標をインストールすることが重要なんだそうであります。

で、醤油造りなんですが、当初蛍光灯ががんがんと照る場所に置いていて、それでなかなか発酵が進まないのかなあ、なんて考えまして、キッチンカウンター下の収納に入れたんですね。

日本酒でも、蛍光灯をがんがんにあててる酒屋からは買わない方がいい、というのが鉄則になってますからね。

しかしである。

そうすると、3日一遍は行わなければいけない攪拌を忘れてしまうのよねぇ。(;´▽`A``

やっぱり目標は目につくところに貼らなきゃいかんという、自己啓発本なんかに書いてあることは本当だなあ、なんて思ったわけです(ちょと違うか。。σ(^_^;)

というわけで、現在は仕事スペースの椅子の下においているという次第。

もうまったく攪拌忘れません!


口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090310


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純米原理主義者、本醸造をたしなむ。<其の二>

<其の一> の話は、ある酒販店から聞いたのだけれど、店主によると、そうやって国税庁の指導のもと、安直な純米酒を造る蔵ガ多くなり、最近ではそうした蔵はまともな本醸造も造れなくなっているというのだ。

僕は純米原理主義者だけれど、アル添酒を認めないわけではなくて、ただ、上原先生が言うように「アル添酒を日本酒と呼びたくない」だけなんです。関係あるようでありませんがシェリーも大好きだし(笑)。だから、良い本醸造と悪い本醸造という考え方も良くわかります。

造りの未熟さを隠すためのアル添と、たとえば純米酒特有の酸味を和らげるためのアル添など、目的をもって高い技術で行われるアル添もあると。

ここ2、3年自分でアル添酒を買うことは無かったのだけれど、それでは「燗でやりたい本醸造」と件の店主にリクエスト。で、勧めてくれたのが「通潤 本醸造」(1.8L-\2,100 通潤酒造 )。

香りばかりでやわな一部の純米酒にくらべるとずっと骨太で、なんだか立場逆転だなあ、という印象。燗にしてもバランスは崩れず、非常に素直な酒でした。

そうなると、安直な純米造りで本来の酒造りを忘れてしまった蔵の本醸造も比べて飲んでみたいところだけど、何もわざわざ、ですよね。

神田和泉屋の校長が言っていた、「僕が戦っているのは、昔ヤコマン、今バイオ酵母」というのが、なんとなく腑に落ちたというお話でした。

イメージの力とプッタネスカ

ザ・シークレット 』で頂点を迎えた「思考は実現する」系のブームもひと段落の感がありますが、期限と数値を明確にした目標を設定し、成功のイメージを明確にすることは、やはり大切なんだと思う。

実際僕も、宝地図などを作って、1年後、5年後などのあるべき姿をイメージしてる(笑)

娼婦風と訳されるスパゲッティ「プッタネスカ」は、イタリアだったら娼婦の家にでも必ずあるアンチョビとケッパー、オリーブを使ったパスタだ。ありものでささっと作って客を引いていたことから、この名になったというのが最有力の説。

休日の昼は、麺類のことが多い。パスタは冷蔵庫の残り物でささっと作れるのでよく作るのだけれど、最近、食材をすべて並べてみるのが好きだ。並べて出来上がりを想像するのって結構楽しい。想像しながら、ビールをぐびっとやるとなお良い。

手間のかからないパスタ料理だけれど、実はパスタをゆでながらのソース作りの手際のよさが、味を大きく左右するのだ。その行程が時間の流れとともにアタマの中で明確になっていると、見事においしいパスタにありつくことが出来き、その頭脳労働の対価として、舌を通してドーパミンが脳内に大量放出されるのである。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090301a

さて、本日の冷蔵庫の残り物が上記。

1)まずはにんにくのみじん切りをたっぷりのオリーブオイルで火を通し、
2)次にアンチョビを投入
3)パスタをゆで始めるとともに
4)しめじを投入、白ワインを振り入れる
5)その頃には3分にセットしたタイマーが鳴り
6)パスタをゆでている鍋にキャベツを投入してタイマーを再セット
7)その後トマトをソースの方のフライパンに入れて
8)ゆで汁などで味を調えていると6分経過
9)パスタとキャベツをフライパンにぶち込んで
10)あおりながらソースを乳化させて出来上がり!

と、考えたのでありました。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090301b

こんな風な結果と相成り、今日も良好にドーパミンが放出、男子厨房酒の脳内報酬回路がまたもや強化されたのでありました。

イタリアの娼婦たちも、そんな報酬回路を活用することを、知らず知らずのうちにきっと身に着けていたのでしょうな。

寒風吹きすさぶ中、東京湾でもんじゃ3,900円!

昨日は、日本酒学校・神田和泉屋学園 の生徒仲間と東京湾へ。

去年は忘年会で横浜の屋形船に乗り、寒風吹きすさぶ中、他にもたくさんの屋形船が横浜港にたむろしていて驚いたのだけれども、今回はもんじゃで屋形船ということで、なんと一人3,900円! 1~3月の特別お値段。この安さは結構な人気のようで、6、70人は乗れる屋形船は、会社仲間と思われる人々で満員状態なのでした。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090225c

最初にご丁寧にももんじゃの焼き方をレクチャーしてくれるのだけれども、お客さんみんなノリがいいのなんの(苦笑) それはもう、ガイドに連れられた外国人カップルもいたのだけれど、これが日本人のスタンダードと思われると、かなり日本人観を間違えるなあ、というぐらいですよ。

もんじゃのお味はもちろん取り立て言うほどのことは無いのだけれど、レインボーブリッジやフジテレビを望みながら、あのノリでわいわいガヤガヤ波に揺られて食せば、「おーおー、旨いじゃん!」と条件反射のように口をついて出てくるわけです。

言葉の威力は強いから、「旨い!」「旨い!」といい続けていると、本当に旨く思えてくるから不思議なもの。

それで、3,900円で2時間飲み放題・食べ放題の秘密は、一度に一品しか焼けないとっても小さな鉄板。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090225a

この鉄板を4人で囲むのであります。しかし僕らは、その小さな鉄板でむりやりお好み焼きとチャーハンを同時に焼いたりして、結局8人でもんじゃ=8、お好み焼き=4、チャーハン=2、焼きソバ=4は食べましたな。

飲み物も、僕は缶ビール=2、缶レモンハイ=2、日本酒ワンカップ=1を飲んだから、まあ上出来でしょう(笑)

しかし、焼き方にまわるとほとんど景色を見られないので注意が必要です(苦笑)

また、くれぐれもカップルでなど乗船しないように。周りの圧倒的なパワーに気おされ、口少なになって気まずい思いをすること必至でございます(笑)

月島もんじゃ屋形船  ←URLにすごい戦略が(笑)


口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090225b
焼き始めると、こんな風に窓は開けっ放し。でも、意外と寒くない。

純米原理主義者、本醸造をたしなむ。<其の一>

自他共に認める「純米原理主義者」ではある。

「酒は純米、燗ならなおよし」を生涯の信条として仕事をされた国税庁日本酒鑑定官、上原浩先生を心の師と仰ぐTOMだからして当然なのでありますが、最近ちょいといやな話を小耳にはさみました。

注:上原先生を知る一冊=「純米酒を極める (光文社新書)


昔っから国税庁(かつては大蔵省主税局)なんてところは、酒文化なんてことは露ほども考えず、単に税収を上げる手段だけを考えているわけで、だからこそ上原先生のように日本酒を愛し、一貫して行動で示された鑑定官がいたことに感動もするわけですが、どうも最近国税庁は、純米酒が売れると見るや、安直な、とても純米酒などと言ってはいけないような純米酒を作るように蔵に指導してると言うのだ。

※ちなみに日本で酒造業界を監督しているのは、農林水産省でも経済産業省でもなく、国税庁。


簡単に言うと、酵素剤などを使ってお手軽に米を溶かして、純米酒を大量に造れという指導をされている蔵が結構あるという。米を蒸すという酒造りのもっとも大切な行程をないがしろにして、そのために当然おこる酒質の低下をバイオ酵母などを使って香りでごまかすというのが、その手口だ。

そう言われてみると、どうも最近やたら香りの強い純米酒に出会いませんか? 単にバイオ酵母を使っているからというだけでなく、あばたを隠すための厚化粧としてバイオ酵母を使っているケースもあるとなると、これは飲み手として、かなり見識が求められる時代になってきたなあ、と思ったわけです

つづく

手づくり醤油日記(8)【セメダイン臭】

あちゃー、一週間ぐらい、攪拌を忘れてました(・_・;)

発酵もあまりしてないようだし、そろそろ絞ろうかと思っていたのですが。。

さすがに一週間そのままだと、キャップをあけるときに「ぷしゅっ」と音がするくらいに発酵は進んでいるようです。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090201


しかし、臭いをかぐとセメダイン臭が。。(+_+)

いわゆる酢酸エチル臭。


日本酒でもたまにセメダイン臭がするヤツがありますが、ちょっと調べてみると、「高精白米を使用して若い麹を使用した場合や、逆に低精白米を使用して低温のもろみ経過をとった場合に出やすい。(All About)」とのこと。糠漬けでもかきまぜを怠ったりすると同じ臭いがでますね。


糠床の場合は、ハンゼヌラという酵母菌の繁殖によるものらしいですが、赤唐辛子をいれて解決するそうです。


今回、うちの子は攪拌したらぜんぜん気にならなくなったので、このまま様子を見て、来週末には絞りに入ろうかな。


まあ、大丈夫でしょう。



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葉はあるが根が無い誤解

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090119

鍋は比較的準備に時間がかからないので、休日でもちょっとせわしない日はいつも鍋。

最近、休日でもジムでトレーニングしています。
帰ってきたら、やはりすぐに風呂に入りたい。ところが、風呂から上がって一から料理に取り掛かると、男子厨房酒が進みすぎて、ちょいと具合がよろしくないわけです。

それはともかく、我が家の人気鍋にきりたんぽ鍋がある。

きりたんぽ鍋といえば、せりが欠かせませんね。

かつお出汁と鶏肉という黄金のコンビに、牛蒡と舞茸の滋味が加わった汁を、最後にきりりと引き締めて、誠に複雑な味わいを実現してくれるのが、きりたんぽ鍋におけるせりの重要な役割ですね。

で、これまでせりは食べる直前や食べながら葉や茎を投入していたんです。

しかし、過日チェーン系の秋田料理屋に行ってきりたんぽ鍋を頼んだら、根っこ部分が出てくるじゃあないですか。
そこまで使うか!なんだかしみったれてるなあ、なんて思ったんです。

すいません。大きな誤解でした。

後日ネットでふと目に止まったある料理サイトの記事。
「せりの根から風味がもっとも良く出てます」

たんなる「もったいない」じゃあなかったんですねえ。

もちろん、以来家鍋でもせりの根を最初から投入して、最良のバランスの汁を端から味わってます。
せりの葉や茎ってすぐに火が通るから、食べる直前に入れるじゃないですか、そうすると、汁にせりの味が出るまでには、もう相当鍋も進んでしまってるわけです。

いやー、今まで損してたなあ、なんて。

ほんと思い込みは損します。

手づくり醤油日記(7)【ちょいと舐めてみました。仕込みも越年】

ヤバっ! 晦日から実家に帰り、すぐさまスキーに。10日くらいうっかり攪拌を忘れてしまった!


しかし、ペットボトルが多少膨らむくらいで問題なし。


といって、10日も放っておいてあまり変化しないのも逆にいいんだか?・・・


現在はこんな色合いです。

口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090106a

前回12月15日から色は変わってないような。

ほんのわずか気泡が生じてますね。やっぱり、非常にゆっくりと発酵してるんでしょうか?

蓋についたもろ味を少しなめてみると、これがいいお味!


口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20090106b

醤油としてはもう少し濃さが欲しいけれど、かみさんいわく、「このままキャベツにつけて食べたい」だの「オリーブオイルと混ぜると、おいしいドレッシングになりそう」というようなお味でございます^ ^;


確かに少し味噌っぽさを感じるお味ですね。


ということで、いつまで熟成させればいいかは、折々で味を確かめながらというところでしょうか。



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主人のすなる男子厨房酒といふものを、我輩もしてみむとてするなり


口中の幸い <男子厨房酒の愉しみ>-20081119b

あ、うちの猫、♀でした^ ^;