還暦過ぎて料理生活家<旧:口中の幸い> -18ページ目

開栓2週間後の真実 <秀禄 山廃本醸造>

開栓後2週間が必要でした。最初の一週間ちょっとはボチボチ飲みながら一升瓶のままキッチンで常温放置。半分になったところで4合瓶に移し変えて冷蔵庫で4、5日。


20050618 燗で飲りたい本醸造酒、新関 男の夢 の次に、それよりちょっと重たい味わいの酒ということで、クラカドさんに奨めてもらった秀禄 山廃本醸造の話です。


本醸造で重めの酒というわがままな注文に、そうか山廃か!というわけです。


が、開栓直後は山廃らしい酸味と本醸造の辛味がどうもバラバラな感じがして違和感があったのですわ。けれど、開栓後2週間たったところで両者がうまいこと馴染んできたようで、それによって甘みまで感じられるようになってきた。


こりゃこんどは日本酒もデキャンティングして飲んでみるか、ってな具合です(笑)


ちなみにこの秀禄、大塚酒造 という茨城のちいさな蔵元の酒だそうですが、結構挑戦的な蔵みたいですね。そんなレアな蔵元の酒も、居ながらにして飲める幸せ。ありがたや。

梅雨のさなか、不惑のこち薄造り <食工房 とび田>江東区・千田

終日くもりの予報なのに、しとしとと絶え間なく降り続いた今日16日の東京。うっとおしい雨ではあります。が、齢を重ねると(というほど悟る歳でもないんですが:苦笑)、季節の移り変わりに妙ないとおしさを感じるものでもございます。


そりゃ若い頃は、これから何十年も有り余るほど自分の人生はあって、今年一年の行く春や去っていく夏のことなど、ちょっとしたかゆみ程度のことでございまして、むしろ目の前の彼女とのビミョーな関係の方が余程重要な案件であったりするわけです。


しかし、不惑も過ぎてみると、この梅雨も少しばかり親しみのあるものになってきたりするわけです。と言いながら、今日は一足早く夏の味覚、こちを味わいました。薄造り(^ ^)。

20050616a

 「仕事が終わらない」との友人からの連絡で飲みが流れ、ひとり地元江東区・千田の「食工房・とび田」へ。とび田については過去エントリを参照いただくとして、


寒ぶりだけがこの季節のぶりではありません <食工房 とび田>江東区・千田

京都議定書とひっつみ鍋 <食工房 とび田>江東区・千田
春告魚というのだそうで


このこち、薄造りなぞにしてみれば、ふぐと比べられたりもするわけですが、冬のふぐが繊細な味わいで、夏のこちが旨みしっかりなのは、おもしろい棲み分けだ、なんてひとりごちて(しゃれではありません)、とび田唯一の日本酒「粋人 本醸造」を最初冷やで、後にぬる燗で飲っていたと言うわけでして。

20050616c

 この粋人、長野の遠藤酒造場という酒蔵の酒で、知らない酒というのは本当にいっぱいあるなあと思うわけですが、しかしながら一合420円のこの粋人、なかなか澄んだ味わいで、料理を引き立てるいい酒です。


この後に頼んだイサキの塩焼きは、鮎にも似た香しさで、なるほどこの西瓜様の香りは川・海問わずの6月ゆえのものだったのだなあと、これまたひとりごちた次第。

20050616b

梅雨明けはまだまだ先でございます。


------------------------------
<食工房 とび田> MAP
東京都江東区千田6-2
03-3649-6507
------------------------------

ディカプリオな気分で、エコ・コンシャスな酒 <菊水 純米吟醸(DRY & SMOOTH)>

 今年のアカデミー賞は、レオナルド・ディカプリオを筆頭に、多くのハリウッド・セレブがトヨタのハイブリッド車、プリウスで会場入りしたことが話題になりましたな。今やプリウスに乗ることは、アメリカではクールなことだそうで。。(苦笑)


いやいや、苦笑なんてしないで、素直に喜べばいいんですよね。それで一人でも多くの人が排ガス撒き散らすSUV車からハイブリッド車に乗り換えることは、重要なことです。


今までエココンシャスなプロダクツって何しろかっこ悪かったじゃあないですか。日々の暮らしの中で多少なりとも社会貢献したいというア・リトルな殊勝な気持ちがあっても、アレじゃあちょっとねぇ、っていうものばかりでしたからね。でも、プリウスは文句無くカッコいいです。その未来的なインテリアにもすごくそそられます。ハイブリッドってことを除いてもね。


この間、日曜日の夕飯の材料を買いに錦糸町・クイーンズ伊勢丹に行ったのですが、特別に酒を買う予定はなかったのだけど、やっぱり酒売場をうろうろしないと落ち着かず。。。(本当に苦笑)


20050615b で、目に留まったのが菊水 純米吟醸(DRY & SMOOTH)という酒。クイーンズ伊勢丹のPB商品です。なんでも瓶を再利用してるのだそうで、4号瓶といってもいろんな瓶で提供してるんだそうな。その日あったのも形は同じだけれど、グリーンの瓶と茶色の瓶。


普通日本酒の瓶は粉砕処理され、ガラス・ペレットとなって再度瓶になったり、たとえば道路の舗装に使用されたりするそうな。でもガラス・ペレットから再度瓶にするのには、相応なエネルギーを消費することとなり、もちろんそのまま粉砕処理せずに再利用した方が、よほど環境には良いというわけです。


今読んでいるある日本酒の本には、たとえば「有機栽培米は幻の米同様、消費者向けの販売テクニックのひとつとして利用されている、というのが客観的な見方といえるでしょう」などと、冷めた意見だったりしますが、どうなんでしょう? 日本酒も自然の恵みを享受して生まれてくるものだとしたら、可能な範囲でア・リトルでも環境保護を考えた取り組みをするのは、醸造家としてのみならず、一生活者として意味のあることだとは思うのですが。


なーんて大上段にかまえるでなく、ちょいとエコロジーな心持ちになって、その菊水 純米吟醸(DRY & SMOOTH)を買ったというわけ。980円です。いやー、十分旨いです。たぶん、普通の菊水 純米吟醸と同じなんじゃないでしょうかね。新潟らしい五百万石で醸した端麗辛口。香りはさほどではないけど、特に夏場には飲みやすい。まさにDRY & SMOOTH。日ごろ飲みとしてはそのコストも含め使い勝手はいい。


造り手のこだわりを理解して飲むと、日本酒に限らず酒は数倍美味しく感じられますね。そのこだわりの中に環境への配慮というものもあっていいと思う。そんなこだわりを理解して飲む酒は、やはりちょっと旨いと思う。「消費者向けの販売テクニック」なんて拗ねた見方はしたくないな、僕は。


------------------------------

菊水 純米吟醸(DRY & SMOOTH)

------------------------------

いまどきまっとうで正直な店<山城屋酒場>江東区・住吉

いやー、「山城屋 住吉」でググると結構ヒットするなあ。


あ、いや、うちの近所の大衆酒場の話です。そう、居酒屋ではなくて“大衆酒場”


このところ下町話題をエントリしてなかったので、下調べにググってみたんですよ、山城屋酒場。まあ、いろんな方がレポート書いてますねえ。それもほとんど好意的な記事ばかり! 山城屋酒場のなんたるかが大体つかめます。


代表的なところで下記のサイトやブログかしらん。
kurusu.com
野毛巡礼記
隙あらば 飲む・食う
ある日の極私的居酒屋日記1


20050615c この店、ちょっと見は本当に普通の酒場なんですよ。でも何回か通うと好きになってる。なんていうか、本当にまっとうで、今の時代には貴重な正直に経営してる店なんですね。


かの池波正太郎が、ひいきにしていた銀座の新富寿しを評して「新富寿しが、いかに客に対して良心的であるかということは、鮨を食べて勘定を払ってみれば、たちどころにわかる」と書いているんですが、もちろん単価はまったくというか、天と地ほども違うわけですが、私はこの山城屋酒場もそう評したいです。


それだけに、ここの女将さんなんか、客に対してもそれが不当な行為なら厳然として対応する。この間は、注文が通ってなかったといって、捨て台詞を残して帰ろうという客に対して、「お客さん! 怒ってばかりだと損するよ!!」ときた。親子三人(ご夫婦と娘さん)で40席はあろうというこの店をまったく良心的な値段で切り盛りしてるのである。客としてもそれくらいで怒っているようではやはりイカンじゃあないですか。しかし、店側としては非常にナイーブなこういうシチュエーションでも、まあハッキリしてますな。(誤解なきように付け加えておくと、ここの女将さんは、普段はとっても気のいいおかあさんです。で、こういう事件のあとは、さりげなく常連が女将さんをフォローしてるという:笑)


20050615f さて、いろいろな記事を読んでいると、メニューについての評価のポイントは酎ハイ、ホッピー、豚から、モツ煮込みというところになるかと思いますが、私のフェイバリットメニューは、レバー炒めです。ちょっと今写真ないんですが、ニラももやしも入ったレバー野菜炒めですね。直径22センチほどの皿にたっぷりとあって350円!! こんな値段設定でやっていけるっていう、その経営手腕に脱帽です。僕は晩御飯の用意がないときなんかに寄ったりしてるので、こういう栄養バランスも良くて、腹に溜まるメニューは重要。しかも旨いし安い。


と、会社で書いていたら、無性に行きたくなってきた。しかし、今日はちゃんと晩御飯あるしなあ。ちょっと前を通って気分だけ感じてくるかな(苦笑)


------------------------------

山城屋酒場

住所:江東区住吉町2-7-14

電話:3631-1216

------------------------------

今日は自宅で昼蕎麦(家)酒! <醸し人九平次 吟醸 山田錦 うすにごり生酒>

20050612 昨日、亀戸・はせがわ酒店 に行ってきた。事前にネット でおすすめの新入荷をチェック。うーむ、「いまだけ」などというコピーにはやっぱり弱い、日本人の僕。「醸し人九平次 吟醸 山田錦 うすにごり生酒」を買ってきた次第。750ml、1575円也。


そんなわけで、はやくも味見をしたくなってしまって日曜の今日の昼ごはんは冷おろし蕎麦! 冷たい九平次をくいっと飲る昼蕎麦(家)酒っていう趣向です。


九平次といえばそのきれいな酒質とウェル・バランスがよろしいわけで、なにも生のうすにごりなんて飲まなくてもっていう意見もあるかもしれませんが、これが結構きれいなお酒でして、うすにごりといってもほとんど透明で、最初麹っぽく、後に乳酸菌っぽい生らしい含み香も実に上品。生にしちゃあそこそこ旨みもあるし、ちょっと蒸し暑い今日みたいな日の昼酒にはなかなかの相性かと。山田錦らしい甘みもしっかりありまして、飲みすぎることもないと思われ、昼にはさらに好相性ですね(笑)


ちなみに冷おろし蕎麦の具は、もちのろんの大根おろしに、鰹節、ちくわ、揚げ玉、水菜、みょうが、そして温泉卵。蕎麦は当然乾麺。簡単で結構旨いです。

なにやら銀座が騒がしい?!<手打 きだ>

このところ銀座が騒がしい。いや、蕎麦屋の話である。


日本酒と下町と謳っていながら、銀座の話が多くて恐縮なんでありますが、山の手に対してという意味では、僕の中では銀座も下町から延長したテリトリーという意識なんで、どうかご容赦を。


で、蕎麦屋である。ちょっと外れるけど八重洲の「三日月」を皮切りに、一丁目の「流石」、やはり一丁目の「湯津上屋」。この3店は既にこのブログでもエントリしましたが、他にも大井・布恒更科の息子さんが築地に開いた「築地・布恒更科」(ここは元の銀座・布恒の場所だそう)、両国「ほそ川」で修行して8丁目に開いた「成富」と、ここ一、二年で続々とこだわり系蕎麦屋がオープンしてるんである。


築地・布恒更科はまだ行ってないのだけれど、布恒更科といえば酒肴が充実しているので、蕎麦屋酒愛好家(笑)としては、ぜひに行ってみなくてはならない。


20050610a で本日、遅い昼めしを銀座で取らなくてはならなかったのだけれど、「湯津上屋」のエントリでトラバさせていただいたつれづれ蕎麦 '05さんに、松屋の向かいの小路に新しい蕎麦屋についてのエントリがあったなあ、というのが記憶にあって、あたりをぶらついてみたのであります。


ありました。「手打 きだ」。本当に狭い間口。暖簾に布恒更科とある。ほほー、大井・布恒更科で修行した木田さんという人がやってるのかな?なんて。で、入るとこれまた狭い! 席数14ってとこですかね。この間の「湯津上屋」とほぼ同じ。


20050610b メニューを見ると、まさに布恒。蕎麦は外一のもりと生粉打ち、粗挽き、変わり蕎麦。酒肴も充実して、じゃこ天もあった。頼んだ生粉打ちはかなり細く、舌触りは程よくざらつき、角もしっかり立った蕎麦。辛汁も完璧に布恒。たまり醤油とみりんのかえしですね。出汁の味はほとんどしない。


しかし、このメニューは絶対蕎麦前だなあ。しかし、しかしなんである。「湯津上屋」もそうなんだけど、狭いんだよなあ。狭いとお店の人との距離が近すぎて、なんか落ち着いて飲めないんですよ。そんなの気にしなきゃいいじゃん、という心臓の強い人もいるとは思うし、あるいはなじみになっちゃえばいいじゃないすか、という意見もあるとは思うけど、やっぱり蕎麦屋酒はひとりまったりと飲りたいんです、僕としては。なじみになっちゃうと、ちょっとボーっとしたいなあ、って時でも結構気を使ってしゃべっちゃったりしちゃうでしょ?


でも、簡単な酒肴でさくっと一合やって、ささっと手繰って店を出るという江戸気質でいくなら、いいのかも。ちなみにここ「手打 きだ」では「高千代」「八海山本醸造」が燗で飲れます。600円と700円。冷酒で「獺祭 純米吟醸」ともう一つ純米大吟醸があったのだけれど、うーんと、、忘れてしまいました。なんとか酒楽とか書いてあったかなあ。


------------------------------
手打 きだ
住所:東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル1F
電話:03-3563-6003
------------------------------

銀座の外れも外れにイケそうな蕎麦屋発見! <湯津上屋>銀座

20050608b たまにランチに行く銀座・長寿庵で、店主と近所のお客さんと思われる人との会話を聞くとも無く聞いていたら、この近所に新しい蕎麦屋がオープンしたとのこと。おおっ、またまた会社の近所で蕎麦屋酒できる店が出来たか!?ということで、探しましたよ。ありました。目立たない路地を入ったところに。この路地の入り口は一瞬通り過ぎてしまうところだったけれど、新しい木の色も鮮やかな店の外観が、視界の片隅にふと留まったのでした。

20050608c (ちなみに銀座・長寿庵は、蕎麦はいたって普通だけど、酒が充実しているのでうれしい。こんな感じ⇒クリック )



まずはランチで様子を見ようということで、本日参上。店は6畳ほどで本当に小さい。テーブル席8人、カウンター4人といったところだろうか。白木をベースにしたシンプルで小奇麗なインテリアです。


20050608a で、蕎麦屋酒を念頭に置けばやはりここは種物を試してみようと突然思い、鴨南をもらう。鴨はとってもやわらかく、そこそこ厚みのあるものが4きれ。なかなか旨いです。この季節にしては十分なお味なんでは。

肝心の蕎麦は割と細く、そこそこ色白の肌に外皮が少し確認できる。ややざらついた舌触りが気持ちいいです。甘汁(かけづゆ)は甘味も辛味も出汁も出っ張ることのないさらりとしたもちろん関東圏の汁。鴨の味も十分濃くて美味しいのだけれど、ちょっと蕎麦の方が負けちゃってるかな、とも。今ひとつ蕎麦の香りが感じられなかったんである。


ネットで調べてみるとこの店、那須塩原では有名な蕎麦屋の息子夫婦が出した店だそう。ハイハイQさんQさんデス-私のスーパーグルメ術 に記事がありました。酒は菊正宗のみ。確かにお品書きにはただ日本酒と書かれていたな。

ま、しかし蕎麦屋で菊正宗は定番だし、今度は蕎麦屋酒を試しに行ってみよう。酒肴も10品ほどの定番を押さえている。蕎麦豆腐や玉子焼きで菊正宗、そして今度はもりで香りのほどを味わわせてもらいます。


「つれづれ蕎麦 '05」 さんにもエントリがありました。


------------------------------

手打そば 湯津上屋
住所:中央区銀座1-22-14

電話:03-3567-0838

------------------------------

暑い日に飲むなら新潟一薄い酒! <北雪 純米吟醸>

6月の声を聞き、なかなかに蒸し暑い日も増えてきました。と、言うわけで先週の土曜、東陽町・酒のクラカドに行って、「冷やか冷やして飲みたいのだけれど、端麗辛口系の酒でお勧めは?」と伺って一本買ってきました。


奨めてもらったのは新潟で「一番薄い」という酒。いつも燗酒ばかり買っているので、このリクエストに、「暑くても日本酒が飲みたい!」という僕の潜在意識を汲み取ってくれたのでしょうね、きっと。で、薄いといっても奨めるくらいだから否定的なものではありません。暑い時でも美味しく飲める味わいの酒、という意味ですからね。で、それは何かというと北雪 純米吟醸


20050607 新潟らしく米は五百万石。米に由来するのかしらん、苦味が特徴です。開栓直後は必要最低限と思われる旨みとその苦味が今ひとつ仲悪かったのですが、翌日ともなるこなれてきて、軽い飲み口ながら、旨みと苦味、というか苦い旨みが気持ちいい、やや男らしい端麗辛口となっていました。2005年1月製造とあるから、一年弱の熟成によって味が乗ってきてるのもあるのかも知れませんね。


この北雪。佐渡島にある北雪酒造 という蔵元の酒です。やはりというか、やっぱり魚で飲みたい味です。この季節ならあいなめ(あぶらめ)の煮付けなんかで飲ると合いそうですねぇ。身の太ったところでね♪。今週末にでもやってみましょうかね。錦糸町・魚虎に出張りましょう。週末まで残っていたらね(苦笑)。


その他、この後出てくる、巌瀬の新酒などはかなり軽い酒質で、暑い日にはぴったりとのこと。オマケで聞いてきた真夏日の日本酒の飲み方は、またそんな夏日に実践してリポートしましょう。


イマイチの晩ご飯と共に飲まれる酒の不幸 <鶏肉と赤ピーマンとセロリの水炊き>

日本酒というのは、僕にとってはやはり料理と共にあるもので、それだけに晩御飯のメインを失敗してしまうと、かなり辛いものがありますなぁ。失敗といっても、決して不味いというわけではないのだけれど、うーん、なんか、も一つだなっていう感じ。


昨日は久しぶりに東西線・東陽町の酒のクラカドに行って、いつものように燗酒用の本醸造と、冷やか冷やして飲る純米吟醸酒を奨めてもらった。結構暑くなってきたし、端麗辛口系のものも冷蔵庫に一本欲しいなというのがその理由。


今日は、大地の会から届いていた軍鶏をそろそろ食べねばならぬということだったのだけれど、これが骨付きブツ。うーむ、骨付きとなれば水炊きだが、冬じゃないしなぁ、と悩んでネットサーフィン(古!)してみると、鶏肉とセロリと赤ピーマンの水炊きっていうのがあるじゃないですか。これだ!と思いつつ、なんか味のイメージできないなあ、という不安がよぎったのも事実。けれど、骨付きだったら水炊きしかないよなという思いと、赤ピーマンとセロリだなんて6月らしい食材だ!という現実の前に、この鶏肉とセロリと赤ピーマンの水炊きを作ることに決定したのでした。新潟で一番味わいの薄い酒ということで買ってきたその純米吟醸酒も、この時期に鍋という状況に合うのではないかと思ったし。。


20050606 結果はというと、想像できないなりに、正直に想像したした通りの、なんか違和感のある出来上がりでした(泣)。想像できないレシピに出会うと、もしかしたら人知の及ばないすんばらしい味に変化するのかも!という期待が膨らみつつ、同時に、でもやっぱりその通り(材料通り)の味なんだろうか?という不安も心の片隅居座るものですね。あー、でも本当に鶏肉とセロリと赤ピーマンの水炊きでした。何が悲しくてセロリと赤ピーマンをポン酢で食べなくてはいけないんだ、と深くうなだれた次第。


でも、最後の雑炊はとーっても美味しかった!♪ 濃厚な昆布の味にほんのり鶏とセロリの風味。卵を落としてやると、リゾットか?おじやか?と判断において複雑な味わい。これってスープ取るためだけのレシピだったのかな?って言うくらい。でも、すでに気分としては敗北感一杯だし、正直にいうと具の赤ピーマンとセロリ残しちゃったしで、意気あがらず。


件の純米吟醸酒は、また後日あらためて飲むことに。

恋の話と長期熟成 <Bar JADA・青山>

昨日、青山・骨董通り沿いにある会社で夕方からミーティングがあって、7時半に終わって直帰となったのだけれど、久しぶりに青山の会社に勤めていたときに行きつけだったバーに寄ってみた。その名をBar JADAという。良く通っていたのは15年も前になるでしょうか。


20050602c 家に帰ってからちゃんとご飯食べるので、軽く1、2杯のつもりだったのだけれど、ギムレット、ウイスキーサワーと飲んで、とりあえずの締めにシングルモルト・ウイスキーを飲みたくなってしまったのですわ。ま、久しぶりだからと言い訳しつつ食前ということで選んでもらったのが、バルベニー 15年 シングルバレル。シングルバレル、つまり一つの樽だけからボトリングされたもので、「BOTTLED BY HAND」なんて書かれているのだけれど(笑)、他に樽詰めされた日付、ボトリングされた日付も明記されてるんですよ。


その樽詰めされた日付を見ると28/06/89とある。おおーっ、このバーに通うようになる一年前かあ。この年、1989年のことは良く覚えてるなあ。仕事に恋に色々あったな、いや恋に恋にか(苦笑)、6月といえばせっせとエアメールを書いていたっけ、なんて、思い出にふけっちゃったわけです。オハズカシながら。。。そんなちょっと青い思い出を肴に47.6度にちょっと差し水してもらって、香りの立ったところをちびりちびりと飲っていたというわけ。


マスターも当時28歳。今では髪の毛の方も怪しくなってきて、お互い「かっこいい中年になりたいねえ」なんて、シングルバレルらしい荒々しい味わいもやっと楽しめる歳になってきたかな?などと話しつつ。。


そんなわけで、日本酒の長期熟成もだいぶ市民権を得てきた今日この頃。日本酒もそうやって思い出と共に飲めるようになると良いなあ、なんて思った夜だったのでした。


どこに載っていたのか忘れてしまったのだけれど、その日の新聞に包んで、日本酒の自家熟成を勧めていたサイトがあったのを思い出しました。結婚した日とか、子供が生まれた日とかに始めて、何年かしてカミサンと、あるいは子供と(20年後!)一緒に飲めたらいいっすねえ。


あるいは、恋人と付き合い始めた時にはじめるとか? あとでその酒を笑って飲めるか、涙と共に飲むことになるか、そんな先行き不透明感もまた一興かと(笑)


  #ところでこのBar JADA、お奨めです。常連が多いのだけれど、一見さんにも決して冷たくない。で、しっかりとした酒を出すし、インテリアもオーセンティック、なのになんとなくラフな雰囲気でくつろげるんですわ。多分マスターの小澤さんの人柄なんでしょうな。ほとんどマスコミに登場しないんだけど、なぜかぐるめピタに載っていたので、リンクを。
------------------------------

Bar JADA ぐるぴた

------------------------------


20050602b #ウイスキーサワーは最近ではまったく注目されてないカクテルですが、僕の大好きなカクテル。グラスのふちに飾ったマラスキーノ漬けチェリーの香りと共に味わうのがいいんですねぇ。バーで頼むもの迷ったらぜひ。